やっくん   


そんな名前であったかどうかよりもわたしは、偶然に偶然が重なり、桜塚やっくんがリアルに動いているところを、一度もみたことがない。


見るのは主に、週刊誌の表紙と、エンタの神様の予告編(しかも二秒くらい)だけで、声すら、一度も聞いたことはない。まるで、大黒麻季がほんとうに存在しているのか疑っていたある時期のマスコミ関係者のように、わたしはやっくんというひとが生きて動いている芸人であることを、密かに疑っている(そのわりに、かつてジャニーズ事務所に応募したことがあるというようなことまで知っているのは一体なぜだろうか)